研究部門

高大連携推進部門/CoREFユニット

ご挨拶

本部門は、全国の自治体や先生方と協調学習の授業づくりを進めるCoREFユニットを基盤として、より質の高い小中高大社会の連携の在り方を明らかにする研究組織です。授業づくりの実践的なフィールドを持ちながら高大接続の評価研究を行うセンターは国内外で珍しく、その特徴を活かして、世界トップレベルの研究拠点となることを狙います。そのため、本学への入学を希望する高校生等のための本学の入試改革だけではなく、国内外のあらゆる大学や小中高を対象として、新しい小中高大社会の連携の在り方を求める方々のヒントとなる知見を提供します。

コア・コンセプト

質の高い小中高大社会の連携は、「人はいかに学ぶか」という原理を常識にした人々の学習環境のデザインと、そこでの子どもたちの学びの見とりと継続的な学習環境の改善によって可能になります。そのために、我々の部門は認知科学を出発点として、知識構成型ジグソー法を中心とした協調学習環境のデザインを開発・検証する学習科学を展開します。協調学習は、たくさんの人々の間の対話を含めた相互作用を生み出しますので、その相互作用データの分析のために新しいテクノロジーの開発を促します。そのテクノロジーは、人々の学び方に関する詳細なビッグデータを提供し、それが学習科学の一層の進展をもたらします。このような螺旋状の進歩が従来の教育と評価の在り方に関する研究を発展させ、社会的な議論を引き起こし、小中高大学生が学習について興味を持ち、将来新しい進路と職業を開拓してくれることを期待しています。

それによって我々は、次のような太古からの疑問に、データと科学の力で迫ります。

  • 人はいかに学ぶか?
  • 一人ひとりの学びはいかに多様か?
  • 多様な学びの間に共通性を見出すことはできるか?
  • 「テスト」はいったい何を測っているのか?
  • 人の学びの質を本当に評価することができるのか?
  • より質の高い学びを引き起こす学習環境の基本原則は何か?
  • 子どもたちの「生きる力」や「考える力」「学び続ける力」を育成・評価できるのか?

研究開発業務

以上の研究を展開するために、下記の業務を中核的に行っています。

(1) 協調学習
学校内外で一人ひとりの学ぶ力を引き出して伸ばすために学習科学に基づいて産学官民連携で進める新しい授業づくりの試みです。最新の活動報告書はこちらです。

(2) 東大リソース
大学の知を小中高学校現場へ発信するための様々な新型高大連携のリソースを紹介・提供しています。文部科学省「大学入学者選抜改革推進委託事業(理数分野)」pp.57-59)で他の大学と共に入試のイメージややり方を拡げる試みも行っています。また、小中学生が大学知について触れる科学技術振興機構(JST)ジュニアドクター育成塾事業「アクティブ・ラーニングと専門家シニアによるきめ細かい指導を活用したジュニアドクターの育成」(pp.54-57)も行っています。

(3) 評価の刷新
人は対話によって自らの考えを深めていきます。この過程が見えるようになると、「評価はどう変わるのか」「テストはそのような学びの何を測っていたのか」「テストに変わる新たな評価手法はあるのか」などを科研費基盤S「評価の刷新─学習科学による授業モニタリングシステムの開発と社会実装─」(pp.51-54)も頂いて、研究しています。

研究実績/活動報告

  • 白水 始・齊藤萌木 (2018) 「アクティブ・ラーニング」 児童心理学の進歩,57, 印刷中.
  • 三宅芳雄・白水始(編)『教育心理学特論(’18)』 東京: 放送大学教育振興会
  • 白水 始 (2017) 「評価の刷新―「前向き授業」の実現に向けて―」国立教育政策研究所紀要, 146, pp.37-48
  • 白水 始「学びをめぐる理論的視座の転換」佐藤学・秋田喜代美・志水宏吉・小玉重夫・北村友人(編)『教育 変革への展望第5巻 学びとカリキュラム』岩波書店pp.13-42. (2017)
  • 遠山紗矢香・白水 始 (2017) 「協調的問題解決能力をいかに評価するか-協調問題解決過程の対話データを用いた横断分析-」 認知科学, 24(4), pp.494-517.
  • 益川弘如・河﨑美保・白水 始 (2016) 「建設的相互作用経験の蓄積が協調的問題解決能力の育成につながるか―縦断的な発話データを用いた能力発揮場面の分析―」 認知科学,23(3),pp.237-254. PDF
  • 飯窪真也(2016).教師の前向きな学びを支えるデザイン研究―「知識構成型ジグソー法」を媒介にした東京大学CoREFの研究連携―.認知科学23(3)pp.270-284. PDF
  • 齊藤萌木 (2016). 「「説明モデル」の精緻化を支える「社会的建設的相互作用」」. 『認知科学』, 23(3), 201-220. PDF
  • 白水始「『アクティブ・ラーニング』のねらいと指導法」教育展望、61(7)、pp.21-25. (2015)
  • 白水始「フロントライン教育研究 B問題を2人で解いたら? : 算数科における効果的なペア学習へのヒント」初等教育資料、926、pp.86-89. (2015)
  • Shirouzu, H., Tohyama, S., Yamada, M., Kitazawa, T., & Masukawa, H. “Proposing an Alternative Framework for the Assessment of Collaborative Problem Solving”, Oskar, L., Päivi, H., Timothy, K., Pierre, T., Sten, L., (Eds.) Exploring the Material Conditions of Learning: CSCL 2015 Conference Proceedings, Gothenburg, vol.2, pp.839-840. (2015) PDF
  • 白水始 「第5章 新たな学びと評価は日本で可能か」三宅なほみ・益川弘如・望月俊男(監訳・著)『21世紀型スキル:新たな学びと評価の新たなかたち』、北大路書房、pp.207-223.(2014)
  • 白水始・三宅なほみ・益川弘如 「学習科学の新展開:学びの科学を実践学へ」認知科学、21(2)、pp.254-267. (2014) PDF
  • Shirouzu, H. “Learning Fractions Through Folding in an Elementary Face-to-Face Classroom” In D. D. Suthers, K. Lund, C. P. Rose, C. Teplovs, & N. Law (eds.), Productive Multivocality in the Analysis of Group Interactions (Computer-Supported Collaborative Learning Series 16), New York: Springer, pp.63-101. (2013)
  • Shirouzu, H. “Focus-Based Constructive Interaction” D.D Suthers et al. (eds.), In D. D. Suthers, K. Lund, C. P. Rose, C. Teplovs, & N. Law (eds.), Productive Multivocality in the Analysis of Group Interactions (Computer-Supported Collaborative Learning Series 16), New York: Springer, pp.103-122. (2013)
  • 河﨑美保・白水始 「成功を超える力」教育研究, 平成25年10月号(No.1340), pp.18-21. (2013)
  • Shirouzu, H., & Miyake, N. “Effects of Robots’ Revoicing on Preparation for Future Learning” Rummel, N., Kapur, M., Nathan, M. & Puntambekar, S. (Eds.) To See the World and a Grain of Sand: Learning across Levels of Space, Time, and Scale: CSCL 2013 Conference Proceedings, Wisconsin, Vol.1, pp.438-445. (2013) URL
  • 白水始 「三宅なほみ氏のフェロー就任を祝って」認知科学, 19(4), pp.412-417. (2012) PDF
  • 白水始 「認知科学と学習科学における知識の転移」人工知能学会誌, 27(4), pp.347-358. (2012) URL
  • Saito, M., & Miyake, N. (2011) Socially constructive interaction for fostering conceptual change, Proceedings of the 9th International Conference on Computer Supported Collaborative Learning (CSCL2011), Hong Kong, pp.96-103.
  • 白水始 「協調学習と授業」高垣マユミ(編)『授業デザインの最前線II』 北大路書房, pp.136-151. (2010)
  • Shirouzu, H. “Collaboration as constructive interaction and the jigsaw method as its enhancer” International reports on socio-informatics, Vol.7, April, pp.65-69. (2010)
  • 白水始・三宅なほみ 「認知科学的視点に基づく認知科学教育カリキュラム─『スキーマ』の学習を例に─ 」認知科学,16(3), pp.348-379. (2009) PDF
  • 白水始・三宅なほみ 「学習科学から見たレッスンスタディ」秋田喜代美・キャサリン・ルイス(編)『授業の研究 教師の学習』明石書店 pp.202-207. (2008)
  • 白水始 「協調学習における理解深化プロセスをどうとらえるか」秋田喜代美・能智正博(監修)『はじめての質的研究法 教育・学習編』東京図書 pp.49-74. (2007)
  • 白水始 「教室の中での学習─協調による理解深化─」児童心理学の進歩, 45, pp.85-111. (2006)
  • 三宅なほみ・白水始 「学習科学とテクノロジ」放送大学教育振興会 (2003)
  • Shirouzu, H., Miyake, N., & Masukawa, H. “Cognitively active externalization for situated reflection” Cognitive Science, 26(4), pp.469-501. (2002) PDF

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